薬局だより
白庭病院 2019年5月号
元号が平成から令和へと変わり、新たな時代の幕開けとなりました。
令和元年、心機一転、良いスタートがきれたらいいですね!
今月の薬局だよりでは、「薬の正しい使い方」と題して、薬の飲み方や飲み合わせ、保管方法、お薬手帳
の活用方法について紹介させていただきます。
薬の正しい使い方
病気やけがを治すのに役立つ「薬」。 しかし、程度に差はありますが、どんな薬でも副作用を起こすリスクがあります。
正しく使わなければ思わぬ副作用を引き起こすこともあるため、正しい使用方法を理解してから使用しましょう。
①飲み方
薬はそれぞれ決められたタイミングに飲まないと、効果が出なかったり副作用を生じたりします。
必ず決められたタイミングで飲みましょう。
食前: 胃の中に食べ物が入っていないとき(食事の1時間~30分前)
食後: 胃の中に食べ物が入っているとき(食事の後30分以内)
食間: 食事と食事の間(食事の2時間後が目安)※食事中に飲むことではありません
就寝前: 就寝する30分くらい前
屯服: 発作時や症状のひどいとき
◆ 薬はコップ一杯の水またはぬるま湯で飲みましょう ◆
薬を水なしで飲むと溶けにくいので、薬の吸収が低下したり遅くなったりして、薬の効き目が悪くなることがあります。
また、錠剤やカプセルがのどや食道に引っかかったり、張り付いたりして、その場で溶けてしまうと、
食道潰瘍を起こしてしまうこともあります。
粉薬ではのどに残った薬が気管に入り込み、 肺炎をおこすこともあります。
また、アルコール類やお茶、牛乳、ジュースで飲むと、飲み物に含まれる成分との相互作用で、
薬の効果に影響が出たり、副作用をおこすことがあります。薬を飲むときは原則として、水またはぬるま湯で飲む習慣をつけましょう!
(*チュアブル錠や
口腔内崩壊錠は、
水なしで服用可能です。)
※薬は定められた量より多く飲んだからといって、よく効くものではありません。
多く飲むことによって、副作用や中毒が現れることもあります。 また、症状が治まったからといって使用をやめると、
病気が再発することや完治しないことがあるので、自分で判断せず医師・薬剤師などの専門家に相談しましょう。
②飲み合わせ
複数の薬を使用している場合、飲み合わせが悪いと薬が効きすぎてしまったり、反対に薬の効果が十分に得られなかったりすることがありま
す。食品やサプリメントの中にも、薬との飲み合わせが悪いものがあります。必ず医師や薬剤師などの専門家に、今使っている薬やサプリメ
ントなどを伝えましょう。
< 一緒に飲むことを避けた方がよい組み合わせ >
・ワルファリン(血を固まりにくくする薬)と納豆、クロレラ食品
・眠気防止薬とコーヒー、いわゆるエナジードリンクなどのカフェインを含む飲料
・カルシウム拮抗薬(高血圧の薬)とグレープフルーツジュース など
③保管方法
薬は湿気や光、熱によって影響を受けやすいため、直射日光が当たらない、高温にならない場所で保管しましょう。
冷蔵庫で保管するように指示された薬は、凍らせないように注意しましょう。 飲み残しがある場合には薬局に相談しましょう。
また、誤飲を防ぐために、薬は子どもの手が届きにくいところに置きましょう。
④お薬手帳の活用方法
「お薬手帳」は、処方されたお薬の名前や飲む量、回数などの記録を残すための大切な手帳です。
薬局では、薬剤師が手帳を見て、副作用や飲み合わせ、薬の量が適切かどうかなどをチェックします。
ご自身でも、服用後に体調変化があったときや、自分で購入した薬を飲んだときには記入するようにしましょう。
お薬手帳はひとつにまとめて、継続して記録するようにしましょう。
※医療機関や薬局を利用する際には必ず持って行き、医師や薬剤師などに提示しましょう。
スマートフォンなどで利用できる電子版お薬手帳もありますので、 使いやすいものを選んで活用しましょう。
白庭病院では、主に整形外科・外科において手術が決定した際、薬剤師による現在服用中のお薬(飲み薬、目薬や塗り薬を含む外用
薬、インスリン注射など)や市販されている一般の医薬品、健康食品の有無と内容の確認をしております。
確認により、手術前に服用を中止するお薬(血液をサラサラにするお薬や免疫を抑えるお薬など)がある場合には、「中止するお薬」と
「いつから中止する」などを文書でお知らせしています。この確認作業にもお薬手帳は大変参考になります。
病院に来院した際には、必ずお薬手帳をお持ちください。
※ 下記リンクよりPDFで閲覧可能です。
薬局だより5月号