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関節センターの特徴

1.バイオクリーンルームなど最新の設備

関節手術(特に人工関節置換術)はあらゆる外科手術の中で最も高い清潔度が要求されます。したがって術後感染症(細菌によってが化膿すること)を予防するためいろんな対策がとられています。当センターで行う関節手術はすべてバイオクリーンルームでおこないます。また手術をする医師や看護師も宇宙服のような手術用防御服を着用し、そのほか様々な感染予防対策を施しています。

バイオクリーンルームなど最新の設備

2.痛みの少ない手術、術後早期回復プログラム

手術は痛いもので我慢するのが当たり前というのは従来の古典的な考え方です。最近の臨床研究の結果から、関節手術後の痛みをできるだけ緩和して、スムーズにリハビリを始めていただくことが日常生活に早く戻る近道であるばかりでなく、術後合併症予防にも、つながることがわかってきました。当科では、開院当初より手術創周囲の「鎮痛カクテル注射」と言う方法を中心に使用しております。これまで、神経ブロック、硬膜外ブロックなどいろいろな術後疼痛緩和対策方法がありますが、手術創周囲の「鎮痛カクテル注射」は、神経ブロック、硬膜外ブロック以上の除痛効果が報告されております。さらに、術後のリハビリや入院生活を、体からチューブが出た状態で行う必要がなく、非常にストレスが少ない状態でリハビリに望めるという利点があります。このように、除痛対策を徹底的に実施し、“痛くない”手術をめざし、早期回復プログラムに取り組んでいます。

痛みの少ない手術、術後早期回復プログラム

3.出血の少ない手術、両側同時手術も施行

当院における手術では、手術中に、止血剤の全身および局所投与を行うなどの工夫を行っており、出血量は比較的少なく抑えられております。また、人工股関節置換術については、筋肉の間から侵入して筋肉や組織を切らず手術を行っているため、出血量は少なく抑えられており、2015年当初からは、原則、貯血式自己血輸血を行っておりません。しかしながら、術後に輸血を必要とした症例は1例もありません。また、最近では、手術中に出血した血液を回収し、洗浄後また自己血輸血を行う、術中自己血回収装置を使用することで、さらに出血量を減らす工夫を行っております。これらの工夫により、患者様に応じて、両側同日手術も行うことが可能となっております。

術中自己血回収装置について

出血の少ない手術、両側同時手術も施行

術中自己血回収装置

4.低侵襲手術

近年、あらゆる外科分野でできるだけ患者さんの負担の少ない手術(低侵襲手術、MIS)が導入されています。関節手術においても手術法や手術機械の改良などにより低侵襲な手術が行われ、当科も導入しています。
皮膚切開の長さは昔に比べてはるかに小さくなっていますが、より大事なことはその下の筋肉や他の組織への負担を少なくすることです。あまりに小さい傷にこだわり、無理に手術をすることで筋肉を痛め、また人工関節手術において最も重要な「正確に手術をすること」が犠牲になる危険性があります。したがって“傷は必要最小限で行うが必要な時にはその分だけ切開する”が当院の方針です。 人工股関節の最小侵襲手術には、様々な方法がありますが、現在の主流は、筋肉を切離することなく行う方法です。筋肉を切らずに、筋間(筋肉の間)を切開しますので、術後の回復も早く疼痛も比較的少ないため、日常生活への自立も早期に達成可能です。しかしながら、人工股関節の最小侵襲手術は、通常の手術より難易度が高く、しっかりとしたトレーニングを受けた医師が手術を行うことが勧められております。当施設では国内、海外で徹底したトレーニングを積みさらに、500例以上の執刀経験を持っておりますので、より安全で確実な手術を提供できます。

低侵襲手術

5.ナビゲーションシステムの導入

IT技術の進歩に伴い、手術の世界にも新しいコンピューター支援技術が導入されています。術前に患者様から立体的な骨の形のデータをいただき手術前に詳しく手術法を検討するコンピューター支援術前計画(3次元テンプレートシステム)や、それを手術中に再現するナビゲーション技術が開発され当科でも導入しています。そこで、従来は困難であった「患者様に合わせたインプラント」を、術前計画から選択することが可能です。このように、術前に入念な計画を立てた上で、患者様に合ったインプラントを選択することにより、早期回復だけでなく禁忌肢位のない生活を実現しております。

6.充実したリハビリテーション

関節手術には適切なリハビリテーションが必要です。当院では理学療法士8名、作業療法士4名の専門スタッフが術前・後のリハビリを担当します。関節手術後の患者様は通常2-3週間で自宅に帰れますが、手術前にあまり歩いていなかった方は回復が少し遅れる場合もあります。そのような場合は近隣の回復期リハビリ病院(東生駒病院)と提携しリハビリを継続することができます。

リハビリテーション

7.専門内科による徹底したリスクマネージメント

変形性関節症(変形性股関節症変形性膝関節症)、関節リウマチ(股関節膝関節)骨壊死(大腿骨頭壊死症)、などの慢性疾患で関節手術を受ける患者様は比較的ご高齢の方が多く、高血圧や糖尿病、心臓病など治療中の内科的疾患をもっておられる方も多くいらっしゃいます。そこで、手術・麻酔に際して全身のスクリーニング検査(胸部レントゲン、心電図、呼吸機能検査、血液検査)を行い、手術の危険性がないか詳細に検討します。もし何らかの異常があった場合(それまで治療をされている病気も含めて)、専門内科に受診して、その状態が手術や麻酔に関して危険でないか十分に検討します。また万が一、術後に何らかの内科的異常が起こっても専門内科医と連携のうえ対応します。

専門内科による徹底したリスクマネージメント

当院 人工関節置換術 手術実績

人工関節置換術合計 膝関節 股関節
2022年         367例       188例       179例
2021年         315例       147例       168例
2020年         324例       189例       135例
2019年         327例       199例       128例
2018年         279例       173例       106例

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